5.30

今日はとても行こうか迷った。

でも、それを行ったら「来て欲しいな」とTが言っていたので、行った。

 

放課後、いつも残っているメンバーがすぐに帰って、私とTだけになった。

別に二人になったところでどうのこうのというのは全くない。

ただ、少し嬉しかっただけだ。

正直、最後の一人については「早く帰ってくれないかな」と思うところもあった。

いや、まあ頭の中のほんの一部でね。

 

で、まあ二人きりになって。

私はチキンなので何もできなかった。

本当だったら年上の私が、ここでなにかしてあげるべきだったんだろうけど。

 

で、しびれを切らしたんであろうTが私の手を握ってきた。

まあビビりますわ照れますわ。

手汗大丈夫かなとか、もうこの手洗わないとかいろんな事を考えていた。

 

であっちもあっちで自分からしてきたくせににやけちゃって俯いてて。

 

「ずっとこうしてたいなあ」

 

そうTが呟いた。

私は肯定の代わりに、手を握り返して。

するともうTがにやにやしちゃって、かわいいなあなんて思いつつ。

でも手を握り返すだけで相当の勇気が要ったんだぞマジで。

 

どうやらその辺でTの迎えが来たらしく、Tは机に頭をあずけた。

なんとなく、そうしたくなって、私は頭を撫でたっつーか、まあぽんぽんって、したのね。

 

そしたらTが起き上がって、ふふふって笑ってて。

「なんだよ」

って言うと

「いや、普通に嬉しかった」

って照れながら言っていた。

 

あー帰りたくないって言いながら、Tは立ち上がった。

私もすっごく名残惜しかった。

できれば帰したくはなかった。

 

それでなんかTはウロウロしたかと思うと、急にがばっと抱きついてきた。

ええってなるよね。いやもちろんめちゃくちゃ嬉しいんだけども。

で嬉しそうに満足したっていって、でも名残惜しそうに帰って行った。

 

今日Tはかなり元気がなかったというか、イライラしていたので、

「落ち着いた?」

と聞くと、

「今日はいい夢が見られそう、元気出た」

って言ってくれて、すごく嬉しかった。

 

高校生の恋愛って、すごく甘酸っぱくて青臭いんだなと思った。

この幸せがずっと続く訳はない。それはわかってる。

 

でも、今だけはこの幸せに浸っていたいと思った。

 

いつか別れるその日まで。