あやまる。

あやまれば逃れられる。そう思って今まで過ごしてきた。

職員室の前で土下座をした。教室で土下座しろと言われた。トイレで土下座した。

屈辱とか、そういうものじゃなくて、怖いとか早く終わらないかなあとか

涙が止まらないかなあとか、授業間に合うかなあとか

かわいそうになあとか。

目の前のことはまるでテレビかなにかのようで、僕はただ脚本に従うように頭を下げた。

 

あやまることが、僕の唯一のできることでした。

「すみませんでした、許してください」

他人からしてみれば惨めだっただろう僕の姿は、僕の中では歩きスマホをする女子高生ぐらい見慣れたものだった。

あの頃の僕は、なんで生きるのにあんなに執着していたんだろう。

なんであそこまで普通になろうとしていたんだろう。

僕が追い求めていた普通は、他人にいとも簡単に壊されていくのに。

 

段々と頭がおかしくなった。休み時間になると真っ先にトイレにかけこんで、逃げることが続いた

あるときは号泣して過呼吸になって保険室に行ったりもした。

あの時死んでればなあ。

あの時生きることに必死になりすぎて、あの時になけなしの自己肯定感を、自尊心を持ち寄ってかき集めて守るのに頑張りすぎた私は

多分疲れてしまったのかもしれない。

 

生きていたくない。

申し訳ない。

ごめんなさい。

あの時殺していてくれればなあ。