帰路

帰ってきた。

帰ってきてから今までは特にこれといったこともなかったので、今回の旅の帰路について書きたいと思う。

西安から日本までは、本当にあっという間だった。

バスの中でパンをかじり、ガイドと分かれて飛行機に乗った。

飛行機でとなりの席になった青年は、フランス人だが中国で中国語の勉強をしているそうだ。

ニコニコとしていて、人懐っこい人だった。

そして降りて、成田で同じツアーだった人たちと別れた。

この人たちと出会ったのは、本当に歯車が少し噛み合ったり、少しずれたりしたからなんだろうなと思った。

例えば、妻の勧めを夫が切り捨てていたら。

例えば、列車が人身事故で止まっていたら。

例えば、広告を見つけることがなかったら。

会わなかった人たち。会えた人たち。それがいる。

そして、それは僕らの人生のほんの一瞬が重なったに過ぎないのだ。

もう、彼らと会うことは二度とないんだろう。

最後、ある人とは「また」と言って別れた。でもその「また」は、もう二度と来ない。

もうその声を聞くこともないし、その姿を見ることもない。

本当に、交差した人生は、二度と交わることはないのだ。

わかってる。全ての人に執着していたら、人生やっていけない。

時には思い出にすることだって必要なのだって知ってる。

でも、せっかく出会えた人だったのに。そういった思いが消えない。

私という人間は、本当に生きるのに向いていない。